経営の達人

火曜日, 5月 31, 2005

 

格付の高い会社

最近、企業格付、財務格付など、格付という言葉を耳にすることが多くなってきました。銀行から借入をする際の条件として「格付」は大きな影響を及ぼしています。格付が悪いと借入金利が高くなったり、場合によっては借入自体が出来なくなってしまいます。10 年程前、東京三菱銀行などの大銀行が導入しましたが、金融監督庁の指導もあり、最近では地銀、信金にいたるまで導入が進み、企業側にとっては無視できない要件になってまいりました。格付はいうなれば企業の通信簿のようなものですが、いったいどういうポイントで成績評価をしているのでしょうか。
各金融機関によって評価のポイントは多少異なるとは思われますが、概ね定性的評価と定量的評価の2つの観点から評価されていると考えられます。
定性的評価とは経営者の人柄や経験、営業基盤、市場動向など、数字では量ることのできない企業の実力を評価するものです。一方、定量的評価は会社の収益性、成長性、安全性、返済能力など、数字で明確に判断できる企業の実力を評価するものです。今回は、その内、定量的評価について触れてみたいと思います。
まず、収益性ですが、代表的指標に売上高経常利益率があります。売上から仕入、経費、金利を差し引いた残りの利益が多いほど、そしてその売上に対する比率が高いほど収益力が高いと判断されます。次に返済能力ですが、代表的なものさしとして利益と借入金との対比による評価があります。現状の利益で借入金の返済ができるのか(償還年数)、借入金利を支払う余裕は十分にあるのか(インタレスト・カバレッジ・レシオ)という問題です。
最後に安全性の評価についてお話します。一般に総資産に占める自己資本の比率(自己資本=出資金と過去の利益の蓄積)が高いほど良い評価を得られます。但し、その比率は実質的な資本に対する比率で見られます。即ち、資産の中に資産価値の無いもの、例えば前払費用、赤字会社への貸付金、業績不振会社の株式、時価が大幅に下落した不動産などが多く含まれている場合は資本は額面の評価をしてもらえず、評価が下がってしまいます。
以上、簡単に格付の基礎をお話しました。今後の経営の参考として下さい。

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