経営の達人

金曜日, 6月 30, 2006

 

在庫ってそんなに大事?

   □倉庫の掃除が大嫌い、掃除はできないやつがやればいいという社員がいる
   □たな卸しをなぜやらなければいけないか、経理がやればいいという社員がいる

☑がついた会社の方は、今月は在庫について、考えてみましょう。
取引してもよい会社かどうかを調べるのに、興信所に頼んで調べてもらうよりも有効な方法-それはその会社の倉庫を見せてもらうことです。倉庫が整理されている会社は、取引先として優良な会社が多いものです。頼んだ商品が早く、正確に納品されてくる確率が高いからです。通路に段ボール箱がチェックされずおきっ放しになっていたり、商品が埃まみれになっていたりする会社では、いずれ納期遅れ、品質不良、発送ミスが発生します。
たくさん在庫があることはよいことでしょうか?商品を切らしてはいけないし、お客さんから欲しいと言われたときすぐに出せるように、品揃えが多いほうが安心だという人がいます。本当にそうでしょうか?増えた在庫が全て回転していれば問題はありませんが、売上が同じだと動かない在庫も増えます。そのうち、奥の方にある在庫が陳腐化します。更に悪いのは、奥の方にあるものが何か、古くなっていることさえ分からなくなることです。売上を上げることが難しいという営業社員がいたら、在庫減らしに挑戦させてみてください。倉庫内の在庫把握のための掃除はもちろん、本当に在庫を減らそうと思ったら、仕入又は生産工程の仕組み、受注納品の手順などまで手をつけなければできません。しかし、仕事そのもののやり方が変わることによって在庫減らしができれば、売上拡大以上の効果がありますし、今後の営業のやり方にもプラスになります。そういう形での在庫減らしができたら、ボーナスを渡すこともできる程の価値があるのです。
最後に、在庫・たな卸しについての考え方について、次のやりとりに問題があります。何が間違いか考えてみてください。
『税務調査官が倉庫の奥のほうにある埃のたまった商品を見て、「あれら商品は出荷されますか?」と聞いたので、「ほとんど出荷はありません。代替品やサンプルとしてなら出せるかもしれないと思って、しまってあります。」次に「たな卸しの台帳には載っていますか?」と聞かれたので、「ほとんど出荷しないので、台帳からは外してあります。」と回答した。』
こういう状況では、簿外の商品と見なされ、追徴課税がなされます。たな卸しは、次のような観点で、行なうのがよいでしょう。

   1.年間入出庫回数の少ないものは、たなを区分する。
   2.たな卸しには計上するが、陳腐化・旧型化の度合いに応じて、評価額を下げる。
   3.本当に使用しないものは、稟議書を回して、現物を廃棄する。
   4.処分の記録は、きちんと残す。

倉庫の中の実態把握が常日頃からできるように、整理整頓は基本です。使わないものをおいておくことは、実態把握が難しくなるだけでなく、保管に係る無駄なコストも発生します。整理整頓が基本です。日頃から心がけたいですね。

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