経営の達人

金曜日, 3月 31, 2006

 

価格設定

価格を決める際に、悩んだ経験は多いと思います。価格は、企業に対して利益をもたらすとともに、消費者に対して商品価値を直接表示するものだからです。安かろう悪かろうで売れないこともあれば、中身は同じでも価格を引き上げただけで消費者の自尊心をくすぐりヒットすることもあります。マクドナルドが低価格戦略で売り上げを急激に減らしてしまったことは、単価を下げて数量を増やそうともくろんだにもかかわらず、逆に商品価値を下げて販売数量まで減らしてしまった例です。
価格設定には、原価・需要・競争の3つの要素があり、これら3つを同時に考慮するのが最も望ましいのですが、実際にはそのうちの1つに重点を置いて設定するのも一般的です。これを価格戦略といいます。まず、原価を考えて価格を設定する方法があります。原価が事前に決めにくい業界(建設、システム開発など)では、それまでにかかった費用に利益を乗せて決定します。また、商社などの流通業界では、事前に原価に一定の上乗せを行って価格を設定します。製造設備稼働率が問題となる製造業界では、一定の収益率が維持できるように価格を設定します。サービス業では、サービスを行う人の人件費などの直接経費と販売や管理経費の合計額に適正な利益を上乗せして、設定します。
次に、需要を考えて価格を設定する方法です。消費者のイメージや、需要の強さを基準に、価格を設定します。売れる価格を発見しそれに原価をあわせていく方法と、原価の変わらない製品を、異なる市場ごとに設定価格を変える方法があります。新幹線の普通車とグリーン車で座席料が違うことは、その代表例です。
最後に、競争を考えて価格を設定する方法です。他商品との差別化が図りにくい場合は業界の平均水準を目安に設定します。また、入札により受注が決まる場合には、他社の応札価格を推測して価格を設定する必要があります。価格設定は、一度したらそのままでよいということはありません。原価・需要・競争のいずれかが変化すれば、それを敏感に察知して見直す必要がありますし、製品ライフサイクル(新製品導入期~成長期~成熟期)によって価格戦略自体が変わるはずですので、その際にも当然見直す必要があります。
以上、簡単に価格について説明しました。一度、御社の価格設定と照らし合わせてみてはいかがでしょうか?

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