経営の達人

火曜日, 2月 28, 2006

 

預金拘束

今月は、銀行との折衝に関する知識のひとつとして、預金拘束についてお話します。
定期預金を解約しようとした際、銀行の融資担当者から待ったをかけられた経験を持つ、経理マンや社長さんはいらっしゃいますか?債務者の非担保預金を実質的に拘束することを「睨み預金」といい、こうした行為は大蔵省(現財務省)通達に抵触します。預金は本来、企業にとってのいざというときの備えであるはずですが、銀行の経営観点からすると債務者の要望のままに解約に応じていては面白くありません。企業の経理マンとしては、預金の仕方について心得ておきたいものです。預金拘束を回避する手法として、定期性預金の種類や内容について理解し、使い分けるとよいでしょう。
(1) 自動継続式定期預金を避ける
銀行側にとって、企業の預金解約防止に非常に有効ですが、企業側にとってはさほどのメリットはありません。

(2) 自動継続式定期預金をする場合、元利継続式は避け、利息分は流動化しておく
これも、銀行側に、労なくして定期預金を増加させるメリットを与えます。逆に、企業にとっては、実質金利負担増加を招くなどのデメリットが発生します。

(3) 証書式の普通定期預金とし、期日解約式定期預金も利用する
期日解約を危惧する融資担当者との適度な緊張感を保つことができます。満期日に当座預金など指定の口座に自動的に解約入金されるようにしておけば、面倒な解約事前交渉を不要とすることができます。

(4) 積立預金は、満期日に流用する旨、銀行に説明しておく。積立期間は長期を避ける
期日解約流用条件を決めておき、徹底する。長期間の積立も、銀行側にとってのメリットが大きく、企業側としては資金の回転を図る意味で、短期を原則とするのがよいでしょう。

(5) 通帳式定期預金はしない
通帳式にすると、銀行側に、複数の定期をひとつの口座でまとめて管理されてしまい、担保にとられるときもまとめてとられてしまいます。元利自動継続式定期預金を通帳式で預かるのが、銀行にとって、一番のメリットなのです。

(6) 預金取引専用銀行をつくり、余剰資金を常に回避する
取引効率を常に意識し、融資のある銀行に余剰資金を置かないよう、努めましょう。また、満期日直前の解約申込をしたり、交渉時に、「旧大蔵省通達の存在」や「監督官庁への直訴」などを口にしたりして、銀行を刺激するのはやめたいですね。企業として銀行と対等にお付き合いしていきたい訳ですが、あくまでも、友好的な関係を保っていくのが、なによりの秘訣なのです。

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