経営の達人

日曜日, 4月 30, 2006

 

登記簿ってどう見ればいいの?

銀行などの金融機関や取引先から、登記簿を求められることがあります。なぜでしょう?金融機関は、貸したお金をちゃんと返してもらえる会社かどうかを見ています。取引先は、売ったものの代金がきちんと支払われるかどうかを見ています。以前に、与信についてお話したことがありますが、銀行側から見れば借り手、取引先であれば購入者である私たち企業が与信先となります。「与信」とは何でしょう?
商品を売ったのはいいものの、その代金がもらえなければ、元も子もありません。「与信」とは、販売先に対し、商品の代金を回収するまでの間、「信用を与える」ことをいいます。信用を与えている間、売上債権を管理することを、「与信管理」といいます。銀行側から見れば、貸したお金を返済できる企業かどうかを、登記簿から探っているわけです。金融機関や取引先から何を見られているのか、また、自分たちも顧客の登記簿をどうみればよいのかについて、今回はお話しましょう。
まず、商業登記簿で、商号や本店所在地に変更がないかどうかを見ます。不渡りなど好ましくないことを繰り返している企業がそれを隠すために商号変更をしたり、手形交換所の管轄を変えるため本店所在地を転々としたりすることが稀にあります。
次に、資本金の動き、特に減資の有無です。資本金を減らしていないかどうか、減らした理由は何かを知っておきたいものです。また、まだ株になっていませんが、今後新株になる可能性のある、最近ライブドアとフジテレビの問題で話題となった、「新株予約権」が発行されているかどうかも記載されています。
一般的に、社歴が長い会社は、信用度の高い企業とされますが、休眠会社を買い取って社歴を長く見せている会社もあります。商業登記簿からは、そういったことも分かります。また、事業目的に統一性があるかどうかも見ておきたいものです。本業と全く関係のない事業目的が掲げられていたり、リスクの高い事業が目的になっていたりしていないかどうかを見ます。登記簿上の代表者と実権を握る人物が別の場合、過去の倒産歴を隠すためにダミーの代表者を
立てている場合があります。また、役員の中に正体不明の人がいないか、頻繁に役員が交代していないかについても確認します。
最後に、不動産登記簿で、土地・建物に関する所有権の移転状況、抵当権・賃借権・地上権など諸々の権利設定状況を見ます。所有権移転の仮登記をしたものが債権者だったり、担保設定者がサラ金業者や正体不明者だったりする場合は、要注意です。登記簿謄本の提出を求められた時、何の疑問もなく簡単に渡しますが、実に色々なことが相手に
分かってしまいます。逆に、初めての企業と重要な取引をする際には、相手先の登記簿もチェックできるようにしておきたいですね。





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